[徹底解説]ホテル業界はこれからどうなる?将来性について[21/22卒]

緊急事態宣言を受けて休業を余儀なくされたホテル業界。

多くのホテルは6月頃から営業を再開していますが、先行きの見えない社会情勢ゆえ稼働率も20%未満であるホテルが多く、厳しい経営状態であることは言うまでもありません。

しかしながら、観光業というものが無くなるなんてことはありません。そんなつまらない世界を私達は望まないからです。家にいるだけでは味わえない感動や経験の大切さがこのコロナ期間でより鮮明にわかったのではないでしょうか。

今回は観光業の中でもホテル業界に着目し、その将来性について様々な観点から分析したいと思います。

業界構図から読み解くコロナ不況の痛手が特に大きかった企業

ホテルといってもその業態によっていろいろな種類に分けられます。
もちろんホテル業界全体がコロナ不況の痛手を負っていることに変わりありませんが、そのサービス形態によってこれから伸びる、衰退する企業を見極めることができます。

①ビジネスホテル  :需要○

ビジネスホテル

有名どころで言えばアパ、東横イン、ドーミーホテルなどが挙げられる。

読んで名のごとくビジネスマンの出張での利用をターゲッティングとしたホテルではありますが、宿泊するという目的だけで使うのであれば、非常にリーズナブルであるためビジネスマン以外にも多く利用されています。

国内の旅行者数の減少、リモートワークの推進による在宅ワーカーの増加により、今は厳しい経営状態ではあるが、旅行客メインのサービスであるリゾートホテルのようなお盆休みなどの繁忙期が勝負といったホテル経営では無く、年間通して常に利用者がいるためコロナに関わらず需要はこれからもあると予想されます。

またカプセルホテルやラブホテルもビジネスホテルと似たサービス形態であり、安くて機能性があるという利点があるため、これらホテルもコロナ禍に関わらずこれからも需要があると思われる。

しかしながら、ビジネスホテルは2020東京オリンピックに向けたインバウンド需要(外国人観光客の訪日旅行需要)に応えるために都市部では特に供給過多だった側面があるため、その需要の激減も含めて全体的な売り上げが落ちている今、より質とコスパの良いビジネスホテルが求められそうです。

②リゾートホテル :需要×

リゾートホテル

今回の被害者筆頭。誰がどう考えても厳しい局面に立たされているとわかります。

そもそも旅行したいという人が少ない中で、それでも泊まりたい!と思えるようなアイディアやブランディング力があるかどうかが試される。観光地の魅力に頼っていただけでホテル自体にはあまり惹きがなかったというリゾートホテルはこれからも客数が減る一方でしょう。

またこのご時世でも旅行気分が味わいたいという人向けのプチ旅行スポットである関東近郊の千葉、箱根や栃木の日光あたりや山梨、静岡の熱海などのアーバンリゾートホテルはこれから需要が増えてくるかもしれない。

リゾートホテルの企業選びにとって大事なのはこのコロナ禍を機にして経営方針を変えることができたかという点です。

経営体制を大きく変え新たな施策が必要とされるこの局面において柔軟に対応することができたか、従来の経営体制にしがみついたままでないかということに着目して色々なホテルを見比べてみれば、安泰であるホテルとそうでないホテルがある程度見分けられる。業界問わずですが、変化に適応できる企業選びを軸にしましょう。

後は単純なネームバリューや企業のストック(コロナ禍でどれだけ耐えられるほどの資本があったか)も長期的にコロナ禍が続くことを考えると大事であろう。

③シティホテル(高級ホテル):需要△

シティホテル

有名どころは帝国ホテル、ホテルニューオータニ、グランドプリンスホテルなど。
ホテル業界に就職したい!という就活生が大抵持っているホテルへの華々しいイメージはこのシティホテルのイメージだろう。ドラマや映画などの舞台とされることも多いのが人気の理由かもしれません。

宿泊特化型のサービスではなく、レストランや宴会場、結婚式場などの付帯施設を持つ大規模なホテルが多いのが特徴。

しかしながら、そういった大規模な施設会場はやはり三密を避けられないためにコロナ禍における需要は期待できないでしょう。シティホテルという土地柄を活かして都会に住む富裕層に向けてどういったアプローチがとれるかが生き残れるかどうかの鍵となりそうです。この記事内で現在ホテルがとっている魅力的な施策を紹介しています。

④温泉旅館 需要○

温泉旅館

ホテルではないですが、興味深い経営業態なので。

まず温泉旅館は温泉が湧き出るところでないと建てることができないので、供給に制限があります。先ほど紹介したビジネスホテルのような供給過多に陥らないので、こうした不況の際の強みの一つと言えます。

また温泉旅館がリゾートホテルと違うのは、地域密着型の経営をしているところが多いという点です。都市部の旅行者や訪日外国人向けの宿泊施設としてだけではなく、地元の人向けに日帰り温泉も提供しているためこうした社会情勢の中でもある程度の売り上げは保たれています。

宿泊特化の業態はこれからも生き残る。宿泊以外のサービスを売りにしている業態ではそれでも泊まりに来たいと思わせるアイディアやブランディングが求められる。

今後も生き残るホテルがとっている経営戦略とは?

まず大前提として必要なのはコロナ対策(衛生対策)をしっかりしていることをアピールすること。すなわちコロナ対策の見える化です。お客さんに安心してサービスを利用してもらえる基礎がなければいくら魅力的なホテルであっても泊まろうとは思ってはいただけません。

それを踏まえた上でこれから生き残る、伸びるホテルがとっている魅力的な経営の施策経営戦略を紹介します。

ワーケーション

ワーケーションとは、ワーク+バケーションという新しい生活様式に適した仕事とリゾートの楽しみ方のことです。

眺めのいいリゾート地やちょっとリッチなホテル、部屋に温泉がついた旅館などで普段の仕事環境から解放されて、リフレッシュしながら仕事をするというテレワークが一般化した今だからこそできる新たな働き方です。現在のホテルはどこも接客による接触も最小限に抑えているので、都会で暮らすよりも感染のリスクはむしろ少ないかもしれません。


以下の記事では、wifi環境やプリンターなどの設備も完備され魅力的なワーケーションを行っているホテルを紹介しています。気になった方は是非。

海外を疑似体験!エンターテンメント性のあるホテル

海外旅行ができない今、各ホテル会社では国内でも海外を疑似体験できるようなエンターテンメント性のあるホテルプランを打ち出しています。

海外旅行に安心して行けるようになるのは、ワクチンや治療薬が開発、普及され、国外移動に恐怖が無くなってからですので、まだまだ先になりそうです。そうした中でこういったプランは将来性がありこれからどんどん広まっていきそうです。

マイクロツーリズム

星野リゾートが打ち出した施策の一つである「マイクロツーリズム」

遠方や海外への旅行ではなく、地元の人が近場で旅をするという旅行であり、地域の魅力を再発見したり、地域経済に貢献できるといったメリットがある。

これはまさに地方都市の観光業衰退という問題を解決するための施策である。
地方部に住む人たちは地元愛の強い方も多いため、例え観光目的であっても東京から人が来ることをあまり良く思わない人も多い。そうした中で地域経済の回復に貢献したいという地元民の人たちが敢えて近場で旅行するというマイクロツーリズムが地方都市の観光業を救う政策の一つとして注目を集めています。

今まで海外や都市部の旅行客を主としてターゲィングしていたホテルにおいては違った観点から集客ができるようなアイディアが必要になる

前のようなホテル業界に戻るのはいつ?

観光庁は「Go To トラベルキャンペーン」を実施し、withコロナの時代における新しい旅の在り方の普及、支援をしていますが、国民の旅行への意識は低くGoToキャンペーンを活用してすでに旅行を予約している人は3.0%、旅行を検討している人は4.8%など、旅行に行く予定のある人は7.8%で、「旅行には行かない、行きたくない」が半数以上の50.7%、「今は旅行に行く気になれないが、感染が収まれば行きたい」が28.7%という結果でした。2020/08/03

国内旅行ですらこの意識の低さなので、訪日旅行客に期待するのも難しく、延期となったオリンピックが2021年にあるといっても、ワクチンや治療薬が開発され普及しない限り、当初の予測通りの訪日旅行客を見込むのは困難でしょう。

9,11アメリカ同時多発テロにおいても、アメリカの旅行需要が回復するのに2,3年はかかったという過去からウィルスの脅威が完全に去ったとしても完全回復には時間がかかりそうです。

しかしながら、観光業というものが無くなるなんてことはあり得ません。

私達の旅行意欲というものは現在、押さえつけられているだけであり旅行需要がなくなってしまったわけではありません。これから感染者数が徐々に落ち着いてきて、国内間の移動がより活発になれば、旅行意欲が一気に跳ね返って今まで以上にホテル業界が盛り上がることもあり得るでしょう。

現に中国では、コロナウイルスの波が収まりつつあり、国内旅行の需要が急増しています。
日本の旅行業界においても内需が急激に増える可能性は十分あると言えるでしょう。

これからの社会においてホテル業界の将来性のまとめ

業界全体としては依然として厳しく、感染の波次第では、一時的な需要の増加なども期待されるかもしれませんが、感染の脅威が完全に無くならない限りは、やはりこのままじりじりと衰退の一途を辿るでしょう。

そうした中でもワーケーションといったように現代のニーズに合ったサービスを提供できる可能性もあるため、そういった非日常を提供できるエンタメ性としての側面はホテル業界のチャンスの一つであると言えます。

従来のようなおもてなしを接触の機会がなるべく少なくなるように見直し、衛生対策を徹底した上で宿泊施設としてだけではない魅力のあるホテルならばたしかに泊まりたい!と思いますよね。

もしホテル業界に就職、転職したいならばそういった変化に対応して新しいことに挑戦しているホテルを目指すとよいと思います。

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